反力の求め方とは?

構造

さて今回は前回学習した力についてと支点の種類の知識を利用して実際に反力の求め方を勉強していきましょう。

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反力の求め方

まずはこちらの図の条件からA支点とB支点の反力を求めてみましょう。

①反力の仮定

反力を求めるには一番最初に反力の仮定をしていきます。

まずはY方向の矢印について考えてみましょう。

外力の4kNが下向きに働いていることから今回はA支点およびB支点ともに上向きに反力が働きそうだなと考えて、A点B点にそれぞれ上向きに矢印でVAとVBと書きます。

VはVerticalのVで、鉛直方向の力ということでVを使って表します。 
水平力はHorizonのHを用いてHAやHBなどで表します。

次にX方向の矢印についてですが、今回は横向きにはたらく外力がないので反力もはたらかず、矢印を書く必要はありません。

さて、反力の仮定ができたので、次にこれらの力の釣り合いについて考えていきましょう。

②力の釣り合い

今回はX方向には力がはたらかないのでY方向のみでOKです。

Y方向の釣り合い条件式は

VA+VB=4kN ・・・①

となります。

外力が真ん中にあって均等っぽいし、VA=2kN、VB=2kNで、2kN+2kN=4kNやろ?と考えたあなた、イメージで考えるのは大事ですが、惜しいです。

力の釣り合いのほかにモーメントの釣り合いを考えなければなりません。

モーメントとは

モーメント(N・m)=力(N)×距離(m) で表され、物体を回転させるような力の強さを表します。
レンチを回す際に柄の先端を持って回すのは、距離を大きくし回転させる力を大きくするためです。

ではこのモーメントをなぜ考えないといけないのでしょうか。

下の図をご覧ください。

先ほどまで外力が真ん中にあったのに対して、今度は外力の位置がB点に近づいたものです。

外力がB点に近づいたことよってB点での反力が大きくなりそうなのがなんとなくイメージできると思います。

4kNを2kNずつ負担していた先ほどと比べて、B点での負担が増え外力の4kNを負担する割合が変化するのです。

外力が作用する位置によって距離が変わり、それに応じて、力も変化するよということです。

これこそがモーメント考えないといけない理由なのです。

それでは実際にモーメントの釣り合いを考えてみましょう。

③モーメントの釣り合い

A点、B点はピン支点とローラー支点であり回転に対する抵抗がない、つまりモーメントが0となるため、A点又はB点を基準としたモーメントを考えます。

今回はA支点周りのモーメントを考えましょう。

4kN × 2m -VB × 4m =0 (ここでは時計周りのモーメントをとし、半時計周りをとします。)
8kN・m = 4VB kN・m
VB = 2kN ・・・②

これを先ほどの①式に代入すると、

VA + 2kN = 4kN
VA = 2kN

となりVA=2kN、VB=2kNとなるのです。

せっかくですので、外力の位置がずれているVerも計算して求めていきましょう。

4kN × 3m -VB × 4m =0 (ここでは時計周りのモーメントをとし、半時計周りをとします。)
12kN・m = 4VB kN・m
VB = 3kN ・・・②

これを先ほどの①式に代入すると、

VA + 3kN = 4kN
VA = 1kN

となりVA=1kN、VB=3kNとなるのです。

注意点として、計算した結果力の大きさが-になる場合は仮定した矢印と逆向きに力がはたらきます。

まとめ

反力を求めるには

①力の向きを仮定して矢印を書き込む

②X方向およびY方向の力の釣り合い条件式をつくる

③モーメントの釣り合い条件式をつくる

④②と③の条件式から計算し、反力を導き出す。

以上、いかがだったでしょうか?反力を求めるのは今後応力を計算していくのに非常に重要となりますので、何度も反復して理解していきましょう。

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