今回は片持ち梁の反力を計算し、その後応力を出してみましょう。
集中荷重のパターンと等分布荷重のパターンをそれぞれ求めてみましょう。
集中荷重
今回はこのような集中荷重の場合を計算していきます。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image26.png)
反力の計算
まずは反力を計算してみましょう。
反力の仮定をします。VAは外力と釣り合うため上向きにはたらくと考え、MAは半時計周りにはたらくと考えて図に書き込んでみましょう。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image27-1.png)
Point モーメントは圧縮側に矢印の先端、引張り側に矢印がないほうが来るように描きます。
外力が加えられたとき、部材がたわんで上側が引っ張られるのがイメージできますよね?
部材の上と下のどちらが引っ張られるかを考えて書き込んでみましょう。
次に釣り合いを考えて反力を計算しましょう。
Y方向の釣り合いより、VA=4kN
MAはA点周りのモーメントを考えれば良いので、
2m × 4kN – MA = 0
MA = 8kN・m となります。
応力の計算
次に応力を計算していきましょう。
応力を求める際にはある点からXm離れた位置での応力を計算すればいいんでしたよね?
忘れてしまったかたはこちらから復習してください。
実際に計算していきましょう。
まずはA点からXm離れた位置での応力を仮定します。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image28.png)
Point 仮定する向きは計算結果の符号によって向きを変えればいいだけなので適当でもいいですが、毎回図のように仮定すると決めてあげるのがおすすめです。
次に切断位置での力の釣り合いを考えていきましょう。
Y方向の釣り合いより
V=4kN
モーメントの釣り合いより
-8kN・m + 4kN × Xm + M =0
M = 8-4X kN・m となり
X=0の時(A点)、M=8kN・m
X=2の時(B点)、M=0kN・m となり、応力図は以下のようになります。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image29.png)
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image30.png)
等分布荷重
次に等分布荷重の場合をみていきましょう。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image31.png)
反力の計算
同様にまずは反力を計算してみましょう。
反力の仮定をします。VAは外力と釣り合うため上向きにはたらくと考え、MAは部材上側引張りと考えて矢印を下向きに図に書き込んでみましょう。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image32.png)
次に釣り合いを考えて反力を計算します。
等分布荷重w=2kN/mとスパンが2mということから、
2kN/m × 2m = 4kN の集中荷重が中央にかかっているとして反力を求めましょう。
Point 反力を求める際の等分布荷重は集中荷重に直して考えよう。
Y方向の釣り合いより、VA=4kN
MAはA点周りのモーメントを考えれば良いので、
1m × 4kN – MA = 0
MA = 4kN・m となります。
応力の計算
次に応力を計算していきましょう。
集中荷重の時と同様に応力を求める際にはある点からXm離れた位置での応力を計算します。
まずはA点からXm離れた位置での応力を仮定します。
次に切断位置での力の釣り合いを考えていきましょう。
ここで等分布荷重では集中荷重の時と違って注意点があります。
Point 切断された部材の等分布荷重は切断された部材の中点に集中荷重として掛かります。
非常に忘れやすく、計算も複雑になるところなので注意しましょう。
今回の等分布荷重を集中荷重に直します。
2kN/m × Xm = 2X kNの集中荷重が切断点よりX/2mの点に下向きにかかっていると考えます。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image35-1.png)
Y方向の釣り合いより
4kN – 2XkN -V =0
V=4-2X kN
モーメントの釣り合いより
-4kN・m + 4kN × Xm – 2XkN × X/2m + M =0
M = X2 – 4X + 4 kN・m となり
X=0の時(A点)、M=4kN・m
X=2の時(B点)、M=0kN・m となり、応力図は以下のようになります。
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image34.png)
![](https://0gakublog.com/wp-content/uploads/2021/03/image35.png)
簡単な求め方(公式)
A点での応力を求めるだけであれば、公式があり簡単に求めることができます。
集中荷重… M=PL
(P=集中荷重 L=スパン長さ)
等分布荷重… M=wX2/2
(w=等分布荷重 X=スパン長さ)
先ほどの問題で実際に公式を使って求めてみましょう。
集中荷重
M=4kN × 2m =8kN・m となります。
等分布荷重
M=2kN/m × (2m)2/2 =4kN・m となります。
公式を使うと簡単に求めることができますね。
どうしても構造力学が苦手、実際に問題を解きながら勉強したいという人は以下の書籍を参考にするのもおすすめです。
まとめ
応力の求め方
①応力を求めるにはある点からxm離れたで部材を切断して考える。
②切断位置での応力を仮定する。
③力の釣り合いを用いて計算する。
④応力図を書く
集中荷重では M=PL、 等分布荷重ではM=wx2/2 を用いると簡単
以上、いかがでしたでしょうか。公式を使うと簡単ですよね?しかし、公式に頼ってばかりだと応用問題が出てきた時に対応できなくなってしまうので、計算で導き出す方法を一度は紙に書いて練習してみましょう。
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