さて今回は構造力学の基本である支点の種類と特徴について学んで行きたいと思います。
支点の特徴がわかると、これから学んでいく反力や応力を計算することができるようになるので、しっかりと勉強していきましょうね。
支点とは
支点とはその名の通り部材を支えている点のことです。部材の支え方によって種類があり、それぞれ力の伝達方法が異なるのです。その結果どの種類の支点を用いられているかによって計算の結果が変わってくるのです。
力の伝達方法は支点の種類によって異なるのですが、共通しているルールがあります。
”支点は支えられている方向に力が働く”
後半の解説で出てくるので、頭の片隅に入れておきましょう。
例として物が床の上にあることを考えてみましょう。
物が床の上にあって静止しているといるということは物に働く力が釣り合っているということであり、さらに物が床を押しているように、床からも同様の力で物を押しているのです。
中学の理科でやった作用・反作用の法則と呼ばれるものでしたね。
さて、種類によって特徴が異なっていた支点でしたが、実際にどの支点を用いているかは、モデル図を見ることで判別することができます。
下の図はモデル図といい、構造物のどこにどんな力がかかっていて、部材がどんな長さや形をしているのかをという情報をあたえてくれます。構造物にかかる力や部材内部にかかる力等を計算するために必要な情報が詰まっているので非常に重要になります。
構造物に掛かる力に関してはこちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください。
構造力学の問題を解く際にはモデル図をみて、支点の種類からその特徴を踏まえて計算を行っていきます。
支点の種類は以下の3つがあるのでしっかりと覚えましょう。
- ピン支点
- ローラー支点
- 固定端
支点がどのようなものか、また支点には3種類あるということがわかったところで、それぞれ支点の特徴について詳しく見ていきましょう。
支点の種類
①ピン支点
まずはピン支点を詳しく見ていきましょう。
図の緑丸の中に当たる部分をピン支点といいます。
ピン支点の特徴
- X方向とY方向の力を支えている。
- 回転方向には支えられない
先ほどの”支点は支えられている方向に力が働く”ということを考えると
ピン支点には、X方向とY方向に反力が生じます。
ピン支点のイメージ
画鋲で1箇所止められた紙をイメージしてください。
縦と横には力を加えても動かないけど、紙はクルクル周りますよね?
これがX,Y方向にのみ反力が生じるピン支点のイメージです。
②ローラー支点
次はローラー支点です。
図の緑丸にあたる部分をローラー支点といいます。
このローラー支点は、その名の通りローラーのように動きます。
ピン支点の下にローラーのようなものが書いてあるのがわかりますね。
ローラー支点の特徴
- Y方向のみ力を支えている。
- X方向と回転方向には支えられない
同様に”支点は支えられている方向に力が働く”ということを考えると
ローラー支点には、Y方向にのみ反力が生じます。
ローラー支点のイメージ
身近な物のイメージは、物干し竿にかけてあるハンガーです。ハンガーは下方向に支えられているけど横には自由に動くし、風に吹かれて回転しますよね?
これがY方向にだけ反力が生じるイメージです。
③固定端
最後は固定端を見ていきましょう。
下図の緑にあたる部分が固定端です。X方向、Y方向に耐えることができ回転もしません。つまりX方向、Y方向、回転方向に反力が生じます。
固定端の特徴
- X方向及びY方向の力を支えている
- 回転方向にも固定されている
同様に”支点は支えられている方向に力が働く”ということを考えると
固定端では、X方向及びY方向、また回転方向にも反力が生じます。
固定端のイメージ
イメージは地面に埋め込まれた棒です。縦にも横にも動かないし、回転もしません。とにかくガチガチに固定されているのですべての反力が生じます。
どうしても構造力学が苦手、実際に問題を解きながら勉強したいという人は以下の書籍を参考にするのもおすすめです。
まとめ
支点は構造物を支える点で、支点には以下の3種類あります。
- ピン支点
- ローラー支点
- 固定端
それぞれの支点に反力のはたらく方向が異なります。
支点は支えられている方向に力が働くので、それぞれの支点では
- ピン支点はX方向、Y方向に反力が生じる
- ローラー支点はY方向にのみ反力が生じる
- 固定端にはX方向、Y方向及び回転方向に反力が生じる
以上、いかがだったでしょうか?この支点にはたらく反力を仮定し、それをもとに応力等の計算をしていくので、反力が生じる方向をイメージからしっかりと理解していきましょう。
今回もありがとうございましたー!
コメント